FLAT STEEL TABLE

黒皮鉄という素材がある。あらゆる鉄鋼材料は、スラブと呼ばれる分厚い鉄の塊が、圧延という加工により薄く引き伸ばされることで生成される。その過程、高温で熱され成形された鉄が空気に触れると、表面が酸化し、黒ずんだ皮膜が発生する。この酸化皮膜が黒皮である。黒皮には、塗装などでは表現できない独特の色合いやムラ感、艶感があり、ラフで、無骨で、格好つけた感じがないのに格好いい。そんな魅力がある。

FLAT STEELは、そんな黒皮材を脚部に採用したダイニングテーブル。黒皮は材料によって色ムラなどの個体差があるため、通常は着色塗装やメッキを施し、品質が一定となるように後加工される。しかし、それでは鉄本来の素材感、黒皮の魅力は失われてしまう。そのためFLAT STEELでは錆びを防止するクリア塗装のみを施し、黒皮の素材感はそのまま残した。必然的に個体差は出てしまうが、無垢材しかり、自然な素材感を活かすのだからそれは当然のこと。常に黒皮が最良というわけではなく、目指す雰囲気によって残すか、黒などでつぶすかを選択するのだけれど、今回はとことん自然のままに、あるがままに。着色を行っていないので、部材同士を接合した溶接痕もそのまま残っている。職人さんによるひとつひとつの手仕事の跡をながめていると、鉄の冷たさの中にも、温かみや人間味を感じられるよう。同じ表情のものはひとつとして存在しない。

薄い平鋼を使用した脚部は、黒皮の質感が無骨さを醸しながらも、どこかシックな雰囲気も持ち合わせている。だから上品めのコーディネートにも合わせやすく、その中でラフな素材感がほどよいアクセントになる。ちなみに、脚の底部にはアジャスターが付いているので、鉄部は直接床に触れず、フローリングを傷つけたりはしない。

FLAT STEELには幕板が無いため、アームの高いチェアを合わせるのに向いている。座っている時、ついつい足を組んでしまう人にも幕板の無いテーブルはおすすめ。コンパクトめのアームレスチェアなら幅1400mm(脚間幅1000mm)で4脚、脚間におさまる。アームチェア4脚なら幅1600mm(脚間幅1200mm)でギリギリおさまり、1800mm(脚間幅1400mm)でゆったりおさまる。また、脚が少し内側にはいっているので、短手にも座れる。来客があった時に席を用意できるよう、スツールなどを余分に用意しておくと便利だ。

北米産のウォールナット、または北海道産のナラ。天板はこの2種で製作可能。どちらも無垢材を使用している。荒々しかったり、おとなしかったり、色が薄かったり、濃かったり、節があったり。無垢材ならではの様々な表情を持つ材を接いでつくる天板は、黒皮鉄のような表現豊かな素材ととても相性が良い。ウレタン樹脂塗装は表面をしっかり保護する代わりに質感を薄めてしまうため、浸透して保護する自然オイルで仕上げている。木の自然な素材感を感じられ、手触りも気持ちいい。無垢の天板は届いた瞬間がピークじゃなく、使い続ける程、どんどん魅力が磨かれていく。

NOTE

木部の仕上は、素材本来の質感を最大限に活かすためオイル仕上を採用しています。普段のお手入れは基本的には乾拭きで、汚れた時は固く絞った布で拭き取ってください。オイル仕上は撥水性を備えていますが、強力なものではありません。水滴のついたグラスなどを直置きして放置すると、輪染みになってしまう場合があります。そのため食卓では、コースターやプレイスマットのご使用をおすすめします。お届け直後はオイルがたっぷりと浸透していますが、使い続けるうちにオイルは徐々に揮発していきます。表面にかさつきを感じた時を目安に、1年に1、2回程度メンテナンスオイルを塗布いただくと、しっとりとした風合いが蘇り、味わいも深まります。冬場は特にエアコンの風で乾燥し、反ったり割れたりを起こしやすくなるため、冬前のお手入れをおすすめします。

無垢材は、夏場は吸湿して膨張し、冬場は放湿して痩せます。そんなふうに呼吸し、伸縮を繰り返しているため、季節の移り変わりの中でクラックが生じることもあります。しかしながら、長く使い続けるうち、そんなクラックも、あるいは増えていく傷や染みも、経年変化とともにだんだんと馴染んでいき、やがて味わいに変わっていきます。自然素材ならではの変化をあたたかく見守りながら、末永くおつきあいください。