Ms.HERRING LOW TABLE

力強い素材感が美しい、ヘリンボーントップのローテーブル。ヘリンボーンという言葉は「にしん(herring)の骨(bone)」に由来し、開いた魚の骨に似ているというところから名付けられたそう。織物においては杉の葉に見立てて「杉綾(すぎあや)」あるいは「綾杉(あやすぎ)」とも呼ばれる。生地の織りとして、また、古くから床材のパターンとしても広く取り入れられ、その起源ははっきりとしていないらしいが、かのベルサイユ宮殿をはじめ、多くの歴史的建築物で用いられてきた。

クラシカルな香りと気品漂うヘリンボーンは、個性的なパターンでありながらも、実はコーディネート性がきわめて高い。アンティークのような装飾の凝ったものから、モダン、スカンジナビアン、インダストリアル、シャビーシックまで、どんなスタイルともマッチする。Ms.HERRINGでは、そんな不思議な魅力を持つヘリンボーンパターンを天板に採用。空間に適度な遊び心を添えつつも、きちんと他の要素と調和し、引き立ててくれる、そんなテーブルができあがった。

目を惹く天板とは対称的に、脚部は極限まで細く絞り、あえて存在感の薄いデザインとしている。脚部が主張してしまえば、例えば太い木脚などであったら、前述のようなヘリンボーンの特長が損なわれてしまうからである。繊細な脚部とすることで、シックなシーンにもよく似合う。脚部先端には、がたつきが出ても調整できるアジャスターを装備。

躍動感ある木目、控えめな木目、大小の節、白太。様々な表情を持つ無垢材のピースを組み上げた天板だから、とにかく素材感がたまらなく良い。節や白太入りの材が多く使われたものはラスティックな雰囲気になったり、きれいな材が多く使われたものはおとなしく上品な雰囲気になったり、その仕上がりは選べないが、きっと気に入るものが届くはず。どんな顔になるかは、その時の材料と、職人のセンスに委ねられている。樹種はウォールナット材、またはナラ材で製作可能。オイルフィニッシュだから、素材そのままの質感と触り心地を味わえる。使い続けるほどに変化し、だんだんと表情に深みが増していくのも無垢材の魅力だ。

ソファの型を選ばないよう、タイプは長方形と正方形の2種類をラインナップ。寸法は、ピースの割付と全体プロポーションが美しくなる絶妙なポイントを探った上で設定されている。寸法表記のきりが良くないのはそのためだ。ソファをL型に組むなら正方形タイプを合わせるとバランスが良く、I型ストレートなら、どちらでもOK。また、実は座卓としてもちょうどいい高さになっている。

NOTE

木部の仕上は、素材本来の質感を最大限に活かすためオイル仕上を採用しています。普段のお手入れは基本的には乾拭きで、汚れた時は固く絞った布で拭き取ってください。オイル仕上は撥水性を備えていますが、強力なものではありません。水滴のついたグラスなどを直置きして放置すると、輪染みになってしまう場合があります。そのため食卓では、コースターやプレイスマットのご使用をおすすめします。お届け直後はオイルがたっぷりと浸透していますが、使い続けるうちにオイルは徐々に揮発していきます。表面にかさつきを感じた時を目安に、1年に1、2回程度メンテナンスオイルを塗布いただくと、しっとりとした風合いが蘇り、味わいも深まります。冬場は特にエアコンの風で乾燥し、反ったり割れたりを起こしやすくなるため、冬前のお手入れをおすすめします。

無垢材は、夏場は吸湿して膨張し、冬場は放湿して痩せます。そんなふうに呼吸し、伸縮を繰り返しているため、季節の移り変わりの中でクラックが生じることもあります。しかしながら、長く使い続けるうち、そんなクラックも、あるいは増えていく傷や染みも、経年変化とともにだんだんと馴染んでいき、やがて味わいに変わっていきます。自然素材ならではの変化をあたたかく見守りながら、末永くおつきあいください。

MANUFACTURE

細長い無垢材の板からヘリンボーンを構成するピースを切り出しながら、そのそばで同時に天板を仮組みしていきます。その後、それらのピースひとつひとつに面取りを施し、全体的な木目のバランスを考慮しながら下地に接着。こうして、一つとして同じものがない天板が出来上がります。Ms.HERRINGはそのデザイン上、様々な表情を持つ無垢材ピースの配置により大きく印象が左右され、その仕上りは、図面には表れない職人の感性によって支えられています。