表情豊かな2つの異素材を、ミニマルで力強い造形に組み合わせたテーブル。天板を折り曲げてそのまま床に伸ばしたような板脚の意匠により、一般的な4本脚のテーブルのような視線の抜けが生じず、どっしりと構えた重みのある佇まいを醸している。木部は総無垢で、側面まで一面木で覆われているから、無垢材ならではのバラエティに富む表情をたっぷりと味わえる。
板脚は機能面でも長所がある。それは、脚間がこれ以上ないほどに広く確保できること。横幅に対してゆったりとチェアをおさめることができる。例えば幅500mm程度のチェアを片側3脚で計6脚合わせるとしたら、テーブル幅は1800mmもあれば充分足りてしまう。片側2脚の計4脚の場合、最小を考えるならテーブル幅はもっともっと小さくてもいい。サイズオーダーにより、幅、奥行、高さは変更可能。ダイニングシーンだけでなく、オフィスのデスクやミーティングテーブルとしてもおすすめだ。アームの高いワークチェアなどでも、天板下にアームがすっきりおさまるよう、幕板は少し奥まった位置に通してある。
脚同士を繋ぐ貫(構造を強固にし横揺れを抑えるための部材)、ここには黒皮鉄のフラットバー(平鋼)を使用した。黒の塗り潰しではない、鉄本来の色合いを活かした無骨な仕上げ。構造材としてはたらきながら、重厚感あるシックな雰囲気の中に少しだけラフさを添えている。
KAHVIの簡潔で面感の強い造形は、合わせたチェアの輪郭を美しく引き立てるとともに、コーディネートに一体感を生み出す。シンプルな一脚も、個性的な一脚も、どんなチェアとも相性が良く、ひとつひとつかたちの違うチェアをミックスしても、違和感なく調和する。
ヌメ革の色合いの変化や、デニムの色落ちのように、経年するほど、使うほど、魅力が磨かれていく。無垢材はそういう素材だ。だから、今の姿だけじゃなく、使い続けた先の姿も待ち遠しい。傷や染みを増やしながらも、それもひっくるめて徐々に味わいを深めていくその変化を、日々の暮らしの中で愉しみながら付き合っていける。
木部の仕上は、素材本来の質感を最大限に活かすためオイル仕上を採用しています。普段のお手入れは基本的には乾拭きで、汚れた時は固く絞った布で拭き取ってください。オイル仕上は撥水性を備えていますが、強力なものではありません。水滴のついたグラスなどを直置きして放置すると、輪染みになってしまう場合があります。そのため食卓では、コースターやプレイスマットのご使用をおすすめします。お届け直後はオイルがたっぷりと浸透していますが、使い続けるうちにオイルは徐々に揮発していきます。表面にかさつきを感じた時を目安に、1年に1、2回程度メンテナンスオイルを塗布いただくと、しっとりとした風合いが蘇り、味わいも深まります。冬場は特にエアコンの風で乾燥し、反ったり割れたりを起こしやすくなるため、冬前のお手入れをおすすめします。
無垢材は、夏場は吸湿して膨張し、冬場は放湿して痩せます。そんなふうに呼吸し、伸縮を繰り返しているため、季節の移り変わりの中でクラックが生じることもあります。しかしながら、長く使い続けるうち、そんなクラックも、あるいは増えていく傷や染みも、経年変化とともにだんだんと馴染んでいき、やがて味わいに変わっていきます。自然素材ならではの変化をあたたかく見守りながら、末永くおつきあいください。