TANA TABLE

ダイニングテーブルは、その名のとおり食事の時に囲むもの。けれど、食事の時以外は使っていないかというと、当然そんなことはない。むしろ、食事以外の用途で使っている時間の方が長いのではないか。自分の使い方を振り返ってみても、そんなふうに思う。ランチの後、ひと息ついでにノートPCを持ってきてネットサーフィンしてみたり、書き物をしてみたり、雑誌をひろげてみたり。デスク兼用で使っているというケースも多いはずだ。

そんなダイニングテーブルの多用途性に着目し、天板下に幅300mmの棚板を設けてみた。さあ食事にしよう、という時には、ここにテーブルの上に散らかる物たちを避難させておくことができる。これで片付ける場所に迷わずに済むし、食事が終われば、棚から片付けたものを戻して作業をスムーズに再開できる。画期的!というほどの何かではないけれど、少し手を伸ばせば届く範囲に、小さな余白のようなスペースがあるというのは、意外に便利だ。

天板も脚部も棚板も、そのすべてが無垢材でつくられているから、どこをとってみても本物の素材感を味わえる。あまり目に付かない棚板まで総無垢というのはなかなか贅沢だ。また、おとなしい木目の材だけでなく、節を含んだ材や動きのある木目の材なども積極的に使っているから、なおさら表情に幅が出ていてたまらない。もちろん、オイル仕上げだから経年変化も存分に味わえる。ボールペンの跡、何かをぶつけたへこみ、コーヒーをこぼした染み、と、毎日の暮らしを刻みながら、たったひとつのヴィンテージに育っていく。

簡潔な構成は、コーディネートする空間もチェアも選ばない。邪魔にならない位置に幕板があるので、アームチェアもすっとおさまって機能的。両端に配置された脚部により脚間もゆったり確保されている。素材のラインナップは、定番のウォールナット、そしてオーク。細かなサイズオーダーも可能なので、内装や思い描くイメージにぴったり合うものをワンオフできる。

NOTE

木部の仕上は、素材本来の質感を最大限に活かすためオイル仕上を採用しています。普段のお手入れは基本的には乾拭きで、汚れた時は固く絞った布で拭き取ってください。オイル仕上は撥水性を備えていますが、強力なものではありません。水滴のついたグラスなどを直置きして放置すると、輪染みになってしまう場合があります。そのため食卓では、コースターやプレイスマットのご使用をおすすめします。お届け直後はオイルがたっぷりと浸透していますが、使い続けるうちにオイルは徐々に揮発していきます。表面にかさつきを感じた時を目安に、1年に1、2回程度メンテナンスオイルを塗布いただくと、しっとりとした風合いが蘇り、味わいも深まります。冬場は特にエアコンの風で乾燥し、反ったり割れたりを起こしやすくなるため、冬前のお手入れをおすすめします。

無垢材は、夏場は吸湿して膨張し、冬場は放湿して痩せます。そんなふうに呼吸し、伸縮を繰り返しているため、季節の移り変わりの中でクラックが生じることもあります。しかしながら、長く使い続けるうち、そんなクラックも、あるいは増えていく傷や染みも、経年変化とともにだんだんと馴染んでいき、やがて味わいに変わっていきます。自然素材ならではの変化をあたたかく見守りながら、末永くおつきあいください。