ぐるりと囲む極太のフレームと、まるで流れ落ちるかのように木目が配されたヘッドボード。木の量感、温もりをこれ以上ないほどにたっぷりと味わえるベッドだ。空気をがらりと変えてくれるような特別な存在感を放ち、それでいて、直線的な構成により空間との親和性は高い。
幅150mmのフレームは、贅沢感があるだけじゃなく、サイドテーブルとしても機能する。スマートフォンはここに置いておけるし、本も積める。目覚まし時計や眼鏡、それくらいの大きさのものは、ヘッドボードの上に。ここは文庫本がちょうどおさまる奥行きで、雑貨や小さな植物を飾ってアレンジしてみるのも楽しい。ヘッドボードの木目は通常横に流すが、ここでは木質感を深く味わえるように、あえて縦目にしている。激しく躍動感ある木目、静かでおとなしい木目、様々な表情の材が並び、混じり合う。その均一でない自然さが良い。
使っているうちに、マットレスがだんだんズレていくのがストレスだ。そんな話を受け、マットレスはフレームの中に落とし込んで設置するかたちにしている。一般的なベッドは、フレームとスノコが面一になっていて段差がないものが多い。そういうものだと、少しづつマットレスが動いてきたり、ぴったり設置しているのに、端をみるとスノコが覗いていたりすることがあるのだ。フレームで囲ってしまえば動かないし、スノコも覗かない。加えて、圧迫感も抑えられる。マットレスは250mmくらいの厚みのものを選ぶと、フレームとのバランスが良く見栄えする。
設置可能なマットレスはダブルサイズ。ただし、フレームが非常に幅広のため、ダブルでも全体幅は一般的なクイーンサイズ以上とかなり大きい。ナイトテーブルもプラスすると更にスペースが必要。まあ、そこはそういうベッドなので仕方がないし、だからこそ、重厚感や木質感、佇まいから醸される雰囲気が突き抜けて特別なものになっている。サイド、フットのフレーム高さは250mmで、床に近い低めの設計。そのため存在感がありつつも圧迫感は無く、むしろ部屋を広く感じさせてくれる効果が期待できる。ヘッドボードも700mmと高すぎず、腰窓の下にも配置しやすい。
ナイトテーブルは引出付で、充電ケーブルや眼鏡ケース、ティッシュ箱、リモコンなど、あまり目につく場所に出したくないものを収納可能。さらに、コンセント有かコンセント無のどちらかを選択できて、コンセント有のタイプは、カバー付の2口コンセントが天面に設置されている。スマートフォンの充電はもちろん、ベッドサイドにテーブルランプを置きたい場合にも便利だ。また、ナイトテーブルを足した方が見た目にも貫禄が増して、どこかホテルライクな雰囲気になる。
低く、どっしりと重厚なベッドだから、ブラックウォールナットの落ち着いた色合い、シックな木目ととても相性が良い。ウォールナットの仕上は無着色のオイルフィニッシュで、本来の色、風合いのまま。さらっとした自然な素材感は、とりわけリネンやコットンのファブリックがよく似合う。冬は柄物のウールブランケットなんかを合わせてみると、また違った顔を見せてくれそうだ。ベッドリネンのコーディネートは悩ましいけれど、あれこれ試しながら自分好みを探っていくと、より楽しく付き合っていけると思う。
木部の仕上は、素材本来の質感を最大限に活かすためオイル仕上を採用しています。オイル仕上は撥水性を備えていますが、強力なものではありません。水滴のついたグラスなどを直置きして放置すると、輪染みになってしまう場合があります。お届け直後はオイルがたっぷりと浸透していますが、使い続けるうちにオイルは徐々に揮発していきます。表面にかさつきを感じた時を目安に、1年に1、2回程度メンテナンスオイルを塗布いただくと、しっとりとした風合いが蘇り、味わいも深まります。